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天童市蔵増市川家文書目録
The Catalogue of the Ichikawa Family Documents (Kurazou,Tendo City )

竹原 万雄
TAKEHARA Kazuo
後藤 彩佳
GOTO Ayaka

本稿は「天童市蔵増市川家文書」の目録である。「天童市蔵増市川家文書」とは、山形県天童市蔵増の故・市川千代氏が同家に所蔵していたものを天童市史編さん室に寄託した文書群である。本文書群の一部は『天童市史編集資料 第三十号 蔵増地区資料(二)  市川和吉家寄託文書』で紹介されているが、同書に収録されている文書は「市川家文書」の一部であり、同文書群には未だ公開されていない文書が多数残されている。そこで、同文書群の現状を記録しながら目録を作成した。
「天童市蔵増市川家文書」は376件あり、19世紀、とくに幕末維新期の文書が多くを占めていた。蔵増地区は、最上川中流最大の蛇行地帯に位置しており、最上川は洪水の度ごとに流路を変えたため、対岸の溝延村・田井村、仁田村・新田村などと村境争論が起こっていた。そのこともあってか、「市川家文書」の大部分は争論関係の文書であった。そこで目録では、『天童市史編集資料 第三十号 蔵増地区資料(二)  市川和吉家寄託文書』にならい、①蔵増村溝延村出入関係、②最上川瀬替掘割関係(川欠・起返地関係)、③水論関係、④成生村北原秣場入会地一件関係に分類し、その他の文書については改めて分類名を付けた。本稿が多くの方々の目に留まり、蔵増地区はもちろん近世・近代の訴訟研究あるいは最上川沿岸に住む人びとの生活史の解明に少しでも寄与できれば幸甚である。

Keywords

天童市蔵増、古文書目録、訴訟、最上川

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