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近世・近現代における山形市蔵王上野の文書管理
Document Management of Zao-uwano,Yamagata City in the Early Modern and the Modern Era竹原 万雄
TAKEHARA Kazuo『役場諸帳簿并諸道具附送帳』は、明治16(1883)年の戸長交代時に地区共有の文書を引き継ぐべく作成された。本論では、本文書の分析および山形市蔵王上野地区に伝存している「山形市蔵王上野文書」と照合することで、近世・近現代における当該地区の文書管理について検討した。文書管理の画期を確認できたのは天明8(1788)年であり、幕府預地になるにあたってこれまでの年貢や御触書などの情報を整理していた。また、文政前期以降に、少なくとも一度は「引継目録」を作成しており、その時に付した番号で文書を管理していた。その後、どこかの段階で改めて「引継目録」を作成し、新たに文書番号を付けなおしている。その目録が『役場諸帳簿并諸道具附送帳』であるのか、あるいはそれよりも古い段階で作成したものかは判然としないが、いずれにしても、そこで付けた番号で管理していた。明治16(1883)年から昭和14(1939)年までは、『役場諸帳簿并諸道具附送帳』を使用して戸長・区長交代時に文書を引き継いでおり、その際、文書の選別が行われることもあった。また、昭和63(1988)年には「上野史作り」のための内容調査が行われ、その際に、一部の文書を紐でまとめるなどの整理がなされたものとおもわれる。さらに、平成26(2014)年からは本学で目録の作成を開始し、現在に至っている。以上のような文書管理の歴史は、「山形市蔵王上野文書」を活用するにあたっての基礎的情報になるであろう。
Keywords
山形市蔵王上野、引継目録、文書管理
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