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ブックの説明

明治期の旧篠原家
-店卸帳から見る変遷-
The Former Shinohara Family in the Meiji Period
-Transition as considered from the Inventory Book-

稲葉 友紀
INABA Yuki

 旧篠原家住宅は、栃木県宇都宮市にある国指定を含む重要文化財建造物である。醤油醸造販売・肥料販売などを生業とした豪商の家であり、その立派な木材や地元の建材を使用した重厚な建築が、多分に評価されている。その一方で、旧篠原家を歴史的観点から研究した例は無いに等しい。
 本稿ではその背景を少しでも明らかにすることを目的に、旧篠原家にて保管されていた多くの資料の中から、明治期の店卸帳の解読を試みた。各項目の金銭動向を追い、当家の変遷を探るとともに、当時の経済状況などと照らし合わせて多角的な分析を行う。
 その結果見えてきたのは、近代経済の激動に呑まれながらも、創意工夫を凝らし資産を増やし続けた旧篠原家の姿であった。

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