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早池峰岳流神楽の伝播と継承
-白土・外山・学間沢神楽を事例に-
A case study of Transmission and Inheritance of Hayachinetake-ryu Kagura
-Shirotuchi,Sotoyama and Gakumazawa Kagura-

千田 拓未
CHIDA Takumi

 北上高地の主峰早池峰山麓に位置する岩手県花巻市大迫町の岳・大償の2つの集落にそれぞれ岳神楽と大償神楽が伝承されている。大償神楽には1488年(長享2)の奥書のある『日本神楽之巻』、岳神楽には1595年(文禄4)銘の獅子頭が現存しており、成立より500年以上の年月が経過していることになる。この2つの神楽が廻村巡業により里の人々と関わりをもったことで、その流れを汲む弟子神楽は早池峰神楽が所在する花巻市大迫町を中心に県内各地に複数所在している。これらの神楽は「岳流」あるいは「大償流」を名乗り、この師弟関係が岳神楽と大償神楽の大きな特徴である。
 本研究では、この弟子神楽の一例として岳神楽から伝授を受けた白しろつち土神楽(現花巻市東和町田瀬)と、白土神楽の弟子神楽にあたる外そとやま山神楽(遠野市小友町)、学がくまざわ間沢神楽(現奥州市江刺米里)を取り上げ、この3団体の師弟関係から、早池峰岳流神楽の伝播の仕方や継承の現状と課題について明らかにしたい。

Keywords

民俗芸能 早池峰神楽 伝播 継承

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