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寛永5年徳川期大坂城普請にかかる大名丁場割絵図記載内容の再検討
Reliability of Daimyo Chobawari-ezu depicting
the construction of Osaka Castle in 1628

北野 博司
KITANO Hiroshi

 元和6年から寛永5年にかけて3期に分けて行われた徳川期大坂城普請の大名丁場割や各大名の施工規模を知る史料として「普請丁場割絵図」がある。本稿では3期分すべての丁場割を描いた絵図群について、大名家の決算帳簿を底本としてその記載内容の精度を検討した。その結果、石垣の地口寸法は帳簿や絵図書写の過程で1字違いや桁のずれなど、誤記をかなり含むことが判明した。
 これは3期分をまとめた丁場割絵図が、竣工図というよりは、後世に過去の事業を記念、顕彰するような目的で作成されたため、典拠とした史料の詳細をチェックするような性質のものでなかったためと解釈した。利用にあたっての注意を喚起するとともに、復元した地口寸法に基づいて第3期工事分の新たな普請丁場割図を作成した。

Keywords

徳川期大坂城 公儀普請 普請丁場割絵図 石垣 地口寸法

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